八王子の景色   浄福寺城跡(5) -二郭-                    [戻る]


浄福寺城において二郭という呼称はない。
ここでは便宜上、主郭から主尾根に沿って直線状に並ぶ曲輪の
うち、中央部の曲輪(余湖図上の 2 の曲輪)を二郭とする。

二郭は、主郭から北に伸びる主尾根上を削平して作られている。
さほど大きな曲輪ではないが、北側の堀切に特徴がある。




















高さ7〜8mはあろうかという壁は上から見下ろすと迫力がある。
自然崩壊で崩れてはいるが、登るのも下るのもなかなか大変。

この堀切の先に三郭があるが、この二郭に造られた大堀切は、
強力な防御ラインであったことがわかる。
400年以上の時を経てこの状態なのだから、当時はそそり立つ
壁のように見えたことだろう。

















南側の堀切は崩落もあって、壁も緩やかで浅くなっている。
右が二郭、左は細く長い曲輪を経て、主郭へと続く。
浄福寺城跡は、開発による遺構破壊をほとんど受けていない
ため、自然崩壊が見られるものの戦国時代当時の城郭の姿を
よく留めている。