八王子の景色   北村透谷碑                                                   [戻る]


岩を集めて盛り上げたような変わった形の碑である。
正面中央の岩に
北村透谷に献す
と書かれている文字は建立の発起人でもある島崎藤村
の筆によるものである。
碑の右には、
昭和四年五月十六日建之
      明治元年小田原に生まれ、
     同二十七年五月東京に没す

左には、
萬物の聲と詩人、情熱、一夕観、雙蝶のわかれ、
みゝずのうた、精神之自由、内部生命論、
富嶽之詩神を思ふ、星夜、蓬莱曲
と、透谷の作品が列挙されている。

この碑は大久保神社境内に建立されたが、昭和29年
に小田原城馬出曲輪に移転、現在は小田原市文学館
の庭に建っている。










島崎藤村が記した文字は、「に」文字に特徴がある。

北村透谷と島崎藤村は銀座の泰明小学校の同級生であり、
仲がよかったようだ。
泰明小学校の正門わきに、透谷と藤村の交友を示す碑が
建っている。

「情熱」という言葉は透谷が創った言葉だという。