八王子の景色   經塚について                       [戻る]


大船町から七国へ続く階段を上っていると、途中にある墓地の中に
仏像が見えた。
隣に碑も見えるので、失礼して拝見させていただいた。

經塚について
この場所に明治の初年まで林家の観音堂が有りました
白衣観音で「子育観音」と呼ばれ多くの方の信仰あつく特に神奈川
県の津久井の方がお参りされ小石を澤山堂内に供えられました
時の宝勝寺の願応和尚がその小石に普門品(お經)を書き山の頂
上に有りましたえんざん天皇と呼ばれる碑のそばに埋め經塚として
林家で供養して参りました
平成三年八王子ニュータウンとして造成のためこれを移転しました
尊いお經とこれを書かれた和尚様を偲び且今後の林家の幸福を願
い観音像を建立しました
  平成五年九月吉日

(碑文より 供養主の名は省略)

碑には詳しく書かれていないが、観音堂は明治の廃仏毀釈でとり壊
されたものだろうか。
子の成長を祈る津久井の人々の信仰や、供えられた小石に経文を
書いた和尚のことなど、小さな歴史がここに残されている。