八王子の景色   笠地蔵と五重石塔                     [戻る]


元八王子の妙観寺。
お寺の前を通る道は何度となく通っていたが、境内に入ったこと
は一度もなかった。
今年の春、本堂の前に美しい桜の花が見えたので訪問すると、
境内の一角に3体の石仏と1つの石塔があるのを知った。

大日如来像の由来
修復記念の辞
この阿弥陀・釈迦・地蔵の三体の石佛は、俗に笠地蔵と呼ばれ、
當寺先住法養房實圓法印が十万有縁の記者を募り、弘化二年
(西暦一八四五年)から同五年(一八四八)にかけて造立し、五重
石塔も同じく嘉永五年(一八五二)十一月に造立したものである。
實圓法印は武州多磨郡二分方村柳澤の人で、天保十四年(一
八四三)十月には師岡忠助美實作の梵鐘を鋳造し、當寺の興隆
には□って功があった有徳の住僧である。安政二年(一八五五)
九月十日當寺で没したが、五重石塔の下に入寂していると傳え
られている。これらの石造物は大正十二年九月の震災により
倒壊破損したのを、この度實圓和上百十六回の忌辰により當り、
先徳追善の為修補して旧状に復したものである。願わくば、先師
尊霊佛果を増進し、寺門興隆に加護を垂れ給わん事を。
   昭和四十五年九月彼岸  妙観寺二十九世 隆□ 謹誌







阿弥陀・釈迦・地蔵の3体の石仏が、笠をかぶって合掌している
というのは珍しい。