八王子の景色   浄福寺観音堂内厨子                    [戻る]


過日、下恩方の浄福寺の本堂に入る機会を得た。
本堂内には様々なものがあり、貴重な体験をさせて頂いた。
特に観音堂内厨子は、東京都指定文化財指定の品であった。

東京都指定有形文化財 
浄福寺観音堂厨子
  所在 東京都八王子市下恩方町三二五九番地 浄福寺内
  指定 昭和三十七年三月三十一日
寺背の山城に拠っていた大石源左衛門入道道俊及び子息憲重
を大檀那として時の別当権少僧都長尊が大永五年(一五二五)
十二月創建したもので、厨子は、その頃かそれ以後の製作と思
われる。
扉のするどいしのぎのついた桟は、関東、東北地方に見られる室町
時代の遺構に特有なもので、福島県田子薬師堂(重要文化財)の
それに似ており、木鼻の繰形は、日野市高幡にある金剛寺仁王門
(重要文化財)に似かよったところがある。藁座、礎盤等もすぐれ、
室町様式を具備し、地方色もそなえるものとして価値が高い。
構造は一間厨子、寄棟造、板葺、手入り
     昭和五十二年三月三十一日建設
                            東京都教育委員会

(東京都教育委員会の説明板より)




曼荼羅を両側に飾り、本堂の座敷の中央に置かれた厨子は、
意外と大きい。
厨子の前には十一面千手観音像の写真が置かれている。

「新編武蔵風土記稿」には、浄福寺観音堂の「棟札写」として、
大檀那大石源左衛門入道並二子息憲重』が観音堂を再興、
したとあり、観音堂の本尊は『
千手観世音、木立像、二尺三寸
許、行基作
』と記載されている。