八王子の景色   平和の像                    [戻る]


富士森公園は戦争に関するイメージが強い場所。

明治時代に「八王子招魂社」として、国のために戦争で亡くなった
方々を祀った地であり、「西南の役から大東亜戦争に至る殉国の
英霊および戦災殉難の霊をまつる」という碑文もある。
この時期になるとニュースなどで取り上げられる「靖国神社」は、
もともと「東京招魂社」という名であった。

そういう経緯もあって、富士森公園の中には、忠魂碑や戦没者の
慰霊碑などが数多く建てられている。

その富士森公園の中でもひときわ高い場所に、「平和の像」が建
てられている。
金色に輝く「平和」の文字と3人の人物。
台座には、メッセージを記載したプレートが取り付けられている。

八王子市は先の第二次世界大戦において大きな戦禍を被り多くの
尊い人命が犠牲になりました。
このような戦争による悲惨な生活は再び繰り返してはなりません。
よって、非核平和都市宣言十周年にあたり世界の恒久平和を願う
市民の象徴としてここに平和の像を建立します。
    平成五年一月
                                  八王子市







太平洋戦争中、この平和の像が立つ場所には、空襲に飛来する
B29を撃墜するための高射砲が置かれていたという。
また、平和の像に登る階段脇には、広島と長崎で原爆に被災した
敷石や校舎の壁の一部が展示されている。

「戦争」から「平和」への転換の象徴がこの像のメッセージだ。