八王子の景色   馬頭観音地蔵(西寺方町(1))          [戻る]


案下道は、明治に開削された道と昭和に開削された道、そして
それ以前の古道との3つの道筋がある。
この3つの道筋の起点は神戸であり、古道である案下道は神戸
で都道がほぼ直角に曲がるカーブから北に逸れて、北浅川を
渉って宝生寺の前を通る道であった。

北浅川を渉り、宝生寺へと続く古道の辻に、小さな石仏が建って
いる。

馬頭観音地蔵
西寺方町852番地
貞享2年(1686)造・「舟型立像」で68cmの高さがある。
                 東京都教育委員会調査報告書より
今から320年前の昔、暴れ川の北浅川を渡る旅人の安全を祈願
して造立された。川向こうの馬頭観音地蔵よ130年ほど早く立て
られており、八王子へ向かう旅人の懇請に拠ったものであろうか。
当時の北浅川の状況と、旅人や住民の生活を伺える貴重な文化
遺産である。
                             歴史の道保存会
(説明板の文章を一部変更して掲載)

誰が建ててくれたものか、こうした説明板があることが有難い。

馬頭観音地蔵像は風化が激しく、顔の部分は判然としない。
おそらく、頭には馬顔も付いていたのだろうが、これも風化で
よくわからなくなっている。










桜の花が咲く古案下道。
馬頭観音は、交通の神様であったという。

北浅川を渉り、難所の和田峠を越える案下道は、通行に困難さが
付きまとう道であったことだろう。
神頼みをするしか方法がなかった昔の人々を、この馬頭観音地蔵
は見守ってこられたのであろう。