今熊野山道道標 [戻る]
今熊山への参詣道の途中の分岐に大型の道標がある。
刻まれた文字は大きく、一見して古い道標だとわかる。
石の道標は、中央部にヒビが入っているのがわかるが、
その補強のために、四隅にアングルを取り付けてその上から
ワイヤを巻いて固定している。
まるで、骨折した足にギブスをしているかのように痛々しい。
(東) 左 今熊野山道
(北) 右 戸倉檜原道
(西) (刻字なし)
(南) 弘化三年丙午二月吉
北面・南面下部にはそれぞれ数名の名前が刻まれている。
道標を寄進した人達の名前であろう。
Y字に分岐する左の道を行くと、程なく今熊神社の遥拝殿に
達し、そこからは今熊山頂への登山道が始まっている。
右の道を行くと、絶えず電気がスパークする新多摩変電所
前を通って、山越えで五日市や戸倉方面に向かう道。
参詣の道と生活の道の分岐にある道標は、数多くの人達の
道しるべとして活躍してきたのだろう。