八王子千人同心屋敷跡記念碑 [戻る]
甲州街道と陣場街道が分かれる追分の交差点の近くに
八王子千人同心屋敷跡記念碑が建っている。
天正十八(一五九〇)年七月徳川家康甲州より小人頭及其支配下
二百四十人を元八王子其他に移駐 八王子城落城後の治安警備に
當らしめ翌十九年(一五九一)末更に二百五十人を増員文禄二年
(一五九三)一月亦五百人を増員し八王子千人同心成る 同心百人
一組十組に分ち各組に頭一人を置く
鎗奉行に属し専ら甲信の備えと留守居役に就く 爾来平生農耕に従
い亦文武両道を研鑽多くの卓越せる功績を遺す
特に二百余餘年間に亘る日光廟勤務を始め蝦夷地開拓地の先駆
武相風土記稿編纂他地誌学上の貢献等は彼等が不朽の大業なり
茲に八王子千人同心に最もゆかり深き二百七拾餘年間駐在の地を
卜しこの碑を建て昭和三十三年秋十月日光東照宮廟前に建てられ
たる碑と相俟ちその功を永く顕彰せんとす
昭和三十五年(一九六〇) 月 日 八王子市
碑陰にはこのように成立の経緯や業績が簡潔に纏められている。
古図を見ると、この一帯に千人同心の屋敷が立ち並んでいて、
現在も千人町という町名にその名を残している。