兩石橋供養塔 [戻る]
多摩御陵参道から陵南公園の北を抜ける道がある。
この道は「廿里道」という呼び名もあったようだ。
その途中に小さな石碑が立っているが、小さいので足を止めて
見る人もいない。
石碑の正面には地蔵尊の立像が陽刻されている。
また、像の下には、
兩石橋供
の文字が見えることから、石橋供養塔だとわかる。
江戸時代には、川を渡るには木橋が架けられていた。
しかし、木橋は耐用年数が短く、老朽化に伴う事故や大雨など
の際に流失してしまうなどの問題があった。
そこで、村人達で資金を出し合って、交通量の多い道に石橋
を架けることがあった。
向って右側面には、
時宝暦□□□□稔閏七月大吉
左側面には、
施主 井上氏幸右
の文字が読み取れる。
宝暦年間で閏七月があるのは宝暦9年(1759)だである。
なお、八王子市内には橋供養塔が少ない。
この石橋供養塔は貴重なものといえよう。