放鯉記念碑 [戻る]
長房町・東照寺の墓地に放鯉記念碑がある。
この碑が船田会館の敷地内にあると聞き、何度探しに行っても見つから
ないままになっていた。だが、偶々訪れたこの墓地にあるのを知った。
無くなってしまったものとあきらめていただけに、その時の驚きと嬉しさは
言葉では表せない。
碑の正面には碑がここにある経緯が書かれている。
放鯉記念碑
放鯉記念碑は都内新宿区戸山町にかつて所在した東京陸軍幼年学校を
昭和10年3月に卆業した第36期生(陸軍士官学校第51期生)が東幼を
卆業するに当り、校庭内の池塘(琵琶湖)に記念として36匹の鯉を放魚
したことを記念した碑である。
戦後戸山町の東幼校旧地は都営住宅用地となった。琵琶湖はそのまま
公園とされたが碑は旧軍の施設ということで撤去を求められたため、此処
長房山東照寺のご好意によって移築したものである。
平成16年4月
東京陸軍幼年学校第36期生
記念碑には、建碑をした第36期生の言葉がある。
放鯉記
夫レ鯉ハ三十六鱗ヲ有シ龍門ノ水ヲ遡リテ龍ニ化スト云フ
今ヤ母校ヲ去ルニ臨ミ引き胥謀リテ曰ク我等カ三十六期
ニ因ミ彼ノ溌剌タル姿ニ青雲ノ意氣ヲ留メハヤト乃チ鯉魚
三十六尾ヲ日夕我等カ親シメル此ノ琵琶湖ニ放ツ此ノ學ニ
遊フ者樹影ヲ碎キテ游躍シ波紋ヲ眙シテ跳盪スル健鯉ニ
我等カ越え聲氣ヲ偲ヘカシ
昭和十年春三月
東照寺の墓地には、建武台の碑と東幼観音、放鯉記念碑と東京陸軍幼年
学校に関わる3点が並んで置かれている。