八王子の景色   蘭方医 秋山義方父子之碑                      [戻る]



万町の観音寺は何度か尋ねたことがあるが、山門の前に
石碑が建っているのに気がついたのは最近のこと。

碑には、

蘭方医 秋山義方父子之碑

とある。
この石碑は持田治郎氏が建てたものだろうと思っていたが、
碑陰の文を読むと、持田氏とは関係のない碑であった。
碑陰には解説が書かれている。

蘭学者秋山義方父子の碑
幕末の医学史の中で八王子千人同心の一人である秋山義方
名は積がフーヘランドの名著「済生三方付医戒」の蘭訳書を
活版にて復刻刊行したことは特記に値いする。甚だ困難な大
事業であったに違いない。
積の父、秋山担海がやはり義方の号をもち、はじめは古方派
の漢方医であったが、後に蘭学を収めて八王子蘭学の草分け
的存在であったことが注目される。積は西洋兵学書の翻刻も
なした。彼の子練造が陸軍ゝ医総監の要職にあったのも故な
しとしない。
     日本学士院会員 東京大学名誉教授 小川 鼎三

秋山義方は幕末の八王子において、医学界に大きな功績を
残した人だという。
観音寺の墓地には秋山家の墓があるというので、探したが、
見つけることはできなかった。
いずれまた訪れてみたいと思う。