八王子の景色   滝不動尊                                              [戻る]



旧小野路街道から小さな坂を下った、子安町1丁目会館の敷地
に滝不動尊がある。
コンクリートブロックと昔ながらのフェンスで囲まれた中に小さな
祠と解説板が立っている。


滝不動尊の由来
旧小野路街道に沿うこの一帯は昔より、篠笹が茂り、泉が豊富
に湧出し、滝が落ち、修行の場があったとも言い伝えられている。
滝不動尊は、観音寺(市内万町)第四世・法印養仙住職により、
元禄十四年、当時寺の所有していたこの地に祀られたが、その
後明治の末期、この付近で水車を動力として撚糸を業としていた
内藤太兵衛氏の手で改装され安置された。
ご本体は不動明王の化身で、竜王の一種、型像は盤石の上に
立って剣に巻きついた黒竜が剣を飲む状を示し、火焔に覆われ
ている。現存の建物は、地元崇敬者の基金により昭和四十一年
に新築されたものである。
(敷地内の説明板より)










滝不動尊の覆屋の中には、石祠が納められている。
石祠の中に祀られているのは、剣に巻き付いた龍が剣の先を飲み
込もうとしている倶利伽羅不動の姿。
覆屋の奥にも同様の絵馬が奉納されている。


滝不動尊の後には小さな川が流れているが水量は少なく、滝となる
ような落差はない。
だが不動尊の前には、3〜4m程高い位置に旧小野路街道が通っ
ている。

昔は、六本杉の湧水から流れ出た水が、このあたりを流れ下って
いたともいわれるが、それが事実であればこの付近で崖線を流れ
落ちる滝になり、そこから滝不動尊が祀られたということなのだろう。