八王子の景色   田中山 相即寺                                      [戻る]


泉町の相即寺は何度も足を運んでいる。
ひっそりとした境内に、この寺独特の緊張を感じるのは、
この寺が八王子城の鬼門除けでもあったからなのか。

相即寺
下一分方村に属す。最初は東原山と号し、改めて田中山と
号す。村の小名なり。この辺は実に水田の中にある地なり。
滝山大善寺末。御朱印寺領は十石一斗余。本尊阿弥陀。
本堂。庫裏。方丈。隠寮。鐘楼。地蔵堂
百体の石地蔵を安置
ぬれ仏あり。
(以下略)
(植田孟縉書 片山迪夫校訂「武蔵名勝図会」 )

境内にある延命閣地蔵堂は、天正18年(1590)八王子城
落城時の戦死者の供養のためのものであり、堂内に納めら
れた地蔵尊の1体が「ランドセル地蔵」として太平洋戦争の
哀話を伝えている。
また、「武蔵名勝図会」に「ぬれ仏」と書かれた万目供養仏や
「檜松」と呼ばれる珍しい木などもある。