丁石(壱丁目) [戻る]
高尾山では、山麓から薬王院までの登山道を36丁(1丁はおよそ100m)
に区切り、薬王院を1丁目、山麓の登山口を36丁目としている。
薬王院に入る山門の石段脇、もみじ茶屋の向い側に、その一丁目を示す
丁石がある。
丁石には不動明王の眷属である36童子のうちの1童子の線刻と奉納者の
文章が記されている。
石は何らかの理由で4つに割れてしまっているが、修復が施されている。
當山に志津ま利滿せる來尊不動明王の擁護を仰ぎて、
諸の滿かことを拂ひ、得たる事の尊ふとさに
三十六廼石標を建て備へ奉類時
御佛乃誠の道にいる人の心能駒廼綱手に茂かな
町田梅太郎幷妻信謹白
(縣 敏夫「髙尾山の記念碑・石仏」より)
流麗な線の文字は旧かな遣いや当て字があり、読み取るのが難しいので、
縣敏夫氏の著書から引用させていただいた。
台石には大きな文字で 壱丁目 と記されている。
奉納されている多くの記念碑や杉苗碑の中に埋もれてしまい目立たないが、
この壱丁目の丁石を起点として1号路沿いに9基の丁石が建てられている。