八王子の景色   明治の防火壁                                                       [戻る]



甲州街道沿いの駐車場に夏祭りの櫓が組まれている。
その横には明治時代に防火用に造られた煉瓦塀がある。

商家と駐車場との敷地境界に、30m余にわたって厚さ35cm
以上の煉瓦塀が続く。道路側から約3mは2.8mの高さで、
以後は曲線を描いて1.9mの高さとなる。
黒褐色の煉瓦を用い、イギリス積みで構成されている。「明治
大火の直後に築かれた」との話から、明治中期の大火(明治
27年・明治30年)の後、現駐車場側の店舗新築の際に設置
されたものと推定される。
本遺構は八王子市内に頻発した大火に対する住民の防御策
を伝える存在としての意味を有する。
(参考:八王子市郷土資料館『八王子市伝統的建造物等
文化財調査報告書』平成13年3月)


関東大震災や空襲をくぐり抜けてきたレンガの塀。

※2013年8月時点では取り壊されてしまっていて、この姿は
もう見ることができない。