八王子の景色   梶原杉(標本)              [戻る]


八王子市郷土資料館の玄関に中央が空洞になった巨大な
木の輪切り標本が展示されている。
元八王子の梶原八幡神社の参道にそびえていた梶原杉が
枯死したため、倒れる危険を避けるために伐採した際に残さ
れた標本である。


旧東京都指定 天然記念物
梶原杉
建久二年(一一九一)梶原景時が源頼朝の命により鶴ヶ岡
八幡宮をこの地に勧請した時に植えたと言われ高さ三〇米、
幹囲七・三〇米の巨木であったが四七年樹勢がおとろえ
伐採したものである。
                寄贈者 八幡神社氏子
                      八幡神社宮司
                協力者 瀬沼庄太
                         昭和四七年五月

(説明板より)









梶原杉のあった八幡神社は、元八王子三丁目二二八四番地
にあります。
梶原杉は、長い間、神社の神木として崇敬されていましたが、
昭和四十七年(一九七二)に枯死。枝と幹は、神社の拝殿の
補修材として使用されました。切り株は、今も参道に残っており、
往時の面影を今に伝えています。
(説明板より)

梶原八幡とともに歴史を刻んできた樹に、その補修材としての
役割を与えるという発想は、ユニークであり、意義深い。

また、展示されている標本の年輪には、その時期に応じた歴史
が次のように記載されている。


1546 天文15年 北条氏照、大石氏の養子となる
1559 永禄 2 年 北条氏照、滝山城主となる
1569 永禄12年 この年武田信玄が滝山城を攻撃する
1590 天正18年 八王子城落城、大久保長安赴任