八王子の景色   長池                                                               [戻る]



尾根幹線に面した長池公園は、多摩ニュータウンの最奥部にある。
公園の名の由来となった長池は静寂の中で水を湛えている。

池の周りに遊歩道などはなく、池が見えるポイント1か所しかない。
自然を保存することに重きをおいているように感じられる。

別所・長池
静かに水をたたえる柚木・別所の長池。周囲の丘陵からわき出る水がここに
集まる。自然にできた沼地で、公図上の面積は約二千三百平方メートル。
近くの蓮生寺境内にある薬師堂の本尊がこの池から見つかったという話の外
いくつかの伝説がまつわる。
古い沼地だけにジュンサイなども自生していたが、つい四、五年前、心ない人
に堤を破られ渇水、絶滅した。戦前には大きなコイも泳いでいたが、近くの米
軍通信所のGIがとってしまったという。
近い将来は多摩ニュータウンの中の公園として生まれ変わる。かつての森林
の神秘な池もすでの周囲は伐り払われ、裸同然。地元の人の中には、変わり
ゆく池の姿に心を痛める人も多い。

(東京都八王子市『ふるさと八王子』より)

昭和55年に発行された本にはこう書かれていたが、公園が完成した今では、
長池は公園の中に取り込まれてしまっている。






長池には、「浄瑠璃姫伝説」が残っているが、これについては、池のほとりに
建つ「浄瑠璃姫の碑」の項で取り上げたい。