八王子の景色   明神の湧水                                                [戻る]



明神町の町名の由来となった子安神社。その境内の参道から
数段の石段を下ると、錦鯉が泳ぐ大きな池が広がっている。
明神の湧水によって出来た池である。

其の境地は洪積層の高地の沖積層低地に接する処にあり、
数尺の崖下には清水混々として湧出し、相当に広き泉池もあり、
昔は老欅などの大樹鬱茂し景色もよかった。里人はこれを舟の
森と呼び、泉池に周辺は夏の夜の蛍なども見事であった。
(中略)また泉池の中には弁財天社を祀ってある。

(高橋源一郎『武蔵野歴史地理 第五冊』)

境内から池に下る石段の脇には今も清水が流れる。
都市化が進んだ京王八王子駅近辺に、こんな湧水池があるとは、
案外知られていないように思える。