八王子の景色   小峯御鐘ノ台大堀切(中堀)         [戻る]


小峯御鐘ノ台大堀切は3条の大堀切が連続するとても堅固な造り
となっている。
この中堀はその中央に位置する堀切だが、残念なことに車道として
造成されてしまったために、堀底が埋められてしまい、東堀のように
往時の景観が保存されているとは言い難い。
しかい、東堀との間の土塁や東堀と中堀を結ぶ堀切が残っており、
当時を想像できる雰囲気は残されている。
写真に見られるクランク地形もそのひとつ。
車道を通したためにS字形になっているが、当時は直角に2度曲がる
鉤の手状であったことがわかる。

国指定史跡小田原城跡 小峯御鐘ノ台大堀切中堀
この場所には、かつて小峯御鐘ノ台大堀切中堀がありました。発掘
調査によって、土中には堀と土塁がよく残っているのが確認されて
います。北西の未舗装道路(市道2243)には、かつての空堀の
名残を示すように横に折れ曲がる部分が認められます。
                            小田原市教育委員会

(小田原市教育委員会の説明板より)






中堀(手前側)と東堀(奥)を結ぶ御鐘ノ台間堀。
奥に見えるのが東堀の東側の壁。
東堀と中堀を隔てる土塁は、両方の堀を監視することができる。

東堀の先は八幡山古郭へ向かってなだらかに下っていく。
ということは、この地点を破られると城は危うくなるという重要地点。
古郭時代からも堀切や土塁はあったであろうし、豊臣軍への備え
として総構を築く際に拡大・補強されたものであろう。