コムラサキ [戻る]
この紫の実を見つけると、「ムラサキシキブ!」と言う人がいるが、
正しくは「コシキブ」あるいは「コムラサキ」というのだそうだ。
ムラサキシキブよりも小さいことからその名がついているのだが、
「小式部」といえば、
大江山 いく野の道の 遠ければ
まだふみも見ず 天の橋立
との歌が頭に浮かぶ。
「やられたらやり返す。倍返し!」とばかりに、意地悪な問いに対し
当意即妙の歌で応じた小式部内侍の逸話が残っているが、
知性的で芯がしっかりとした女性の似た美しい実である。
もっとも、小式部内侍の母親は紫式部ではなく和泉式部だが。
日本の秋にふさわしい色と姿をしている。
2013年9月撮影(中山)