八王子の景色   調井の生き石                   [戻る]


川口町の工場などが立ち並ぶ西端に「稲荷児童遊園」という小さな公園
がある。
児童遊園にある浅川稲荷の社殿前に大きな石がある。
以前から、この石が気になっていたのだが、「郷土史」という冊子を見て、
これが「調井の生き石」と呼ばれていたことを知った。

伝説 調井の生き石
榎木の丁字屋横の坂道を降りてすこし進むと、左側に小さな森があり、
浅川稲荷社が祀られて、境内は児童公園になり、中央に平たい形をした
大きな石が置かれている。この石が、調井の生き石との伝説がある。
この石は、歳をとる毎に大きくなると云われることから、生き石と呼ばれ
た。当時、霊験あらたかなお稲荷様は、川口、元八王子に多くの信者
があって、生き石と共に、信仰したと云われる。また、地元の田中氏に
よると、戦前、白装束に身を固めた信者が、生き石にお祈りしている姿
を、度々見かけたと話された。
時代は変わって、かつての雑木林は開墾され、最近では住宅地となり、
昔、庶民に信仰された生き石も、現在は、子供の遊び台となっている。
(米山久雄 川口地区郷土史研究会「郷土史 第5号」掲載より)









年を経る毎に大きくなっていくという生き石。
この大きな石が、ひとつだけここにあるというのも不思議なもの。

ベンチ代わりに腰かけて休むには、ちょうどいい高さになっている。