八王子の景色   八王子大丸                                 [戻る]



今はマンションだが、かつてここには八王子大丸があった。

八王子大丸
横山町3丁目。1972年(昭和47)4月28日開店。
大丸デパートとしては東京駅八重洲口大丸に次いで、都下
では初出店。(中略)
国道20号線(甲州街道)の面した初の都心型百貨店として、
八王子商業の核になっていた。(中略)
昭和50年代後半より商業の中心が八王子駅周辺に移行
したため営業成績が低下し、85年8月5日閉店した。

(八王子事典の会「八王子事典」 より)

開店した当時、甲州街道は「歩行者天国」が実施されていた。
休日にはたくさんの人々が車道や歩道を埋め尽くすように
歩いていたが、大丸の店頭では毎週新人歌手を紹介する
イベントがあって(ラジオ番組だったか?)、人だかりができて
いたのを覚えている。

今にしてみれば、駅からも遠いこの場所になぜ出店したのか
と疑問に思うが、当時はこの横山町から八幡町にかけての
甲州街道が八王子の商業中心地であった。
第一次オイルショック、モータリゼーションと郊外型商業施設
の普及、八王子駅ビルの建設などにより、商業環境が大きく
変化してしまったことで店舗の維持ができなくなったのだろう。

大丸が撤退した後の1987年3月には忠実屋系の百貨店
「FAM」が営業していたが、
1994(平成6)年8月に閉店。
そして、人の流れは甲州街道から消えていくことになる。