双体道祖神(館町) [戻る]
八王子石仏の会が発行した『旧横山村 石仏調査報告書』の表紙に
なっている双体道祖神。
風化によって表情などの細かい部分は判りにくくなっているが、男性
と女性の2体の姿であることは確認できる。
八王子石仏の会「旧横山村 石仏調査報告書」によると、
『八王子では双体道祖神は非常に珍しく、目をふせた表情がやさしい。』
と解説されている。
また、側面には
『(右) 天明六年丙午年 田中村
(左) 九月大吉日』
の文字が刻まれているとあり、これらの文字ははっきりと読み取れる。
ところで、双体道祖神とはどういうものなのだろうか。
『道祖神というのは本来、中国の道の神である道祖と、日本古来の邪悪
をさえぎる神とが合わさったもので、村境や辻に立って悪疫等の侵入を
防ぎ村人を守る神、あるいは旅人の安全を祈る神でありました。
のちに妊娠・出産・良縁・和合等の神、さらには生産神・田の神・山の神
という性格をもつなど、複雑に発展してきました。』
(群馬県太田市ホームページより転載)
村境や辻に立つというと、庚申塔や地蔵尊などの石造物が一般的だが
双体道祖神というのは、確かにこのあたりでは見ることはない。
では、この双体道祖神はどういった経緯でここに建てられたのだろうか。
宅地開発や道路工事などにより、この近辺にあった
石造物がここに集められている。