八王子の景色   ランドセル地蔵尊                [戻る]


相即寺・延命閣地蔵堂は、天正18年の八王子城落城の際の
相即寺縁の戦死者供養のために150体の地蔵尊が安置され
ている。
この地蔵尊のうち1体が「ランドセル地蔵尊」と呼ばれる。

ランドセル地蔵尊
昭和二十年七月八日、東京品川の原国民学校四年生神尾明治
君が、疎開先の元八王子隣保館保育園で、米軍飛行機P51の
銃弾を受けて死亡し明治君のお母様が、明治君の使用していた
ランドセルを、明治君に一番似ている堂内一地蔵にかけて東京
に帰り、お母様も昭和二十一年二月二十八日死亡した。
児童文学作家古世古和子先生が「家出ねこのナゾ」を書かれて
後、初めて真相が判明した。
(延命閣地蔵堂前説明板より)

ランドセル地蔵尊には古いランドセルがかけられていて、地蔵尊
の顔は、お参りに来た人が撫でたのか、色が変わっている。
幼くして亡くなった明治君のために千羽鶴、生花、玩具、そして
ランドセルなどが供えられている。



明治君の母親がお地蔵様にかけたランドセルは、当時のままに
残されている。
小さなランドセルが戦争の悲惨さを伝えている。