八王子の景色   首なし地蔵                           [戻る]


北八王子駅入口交差点近く、交番の向かい側の三角形の角地
に建つ数基の石造物の中に赤い布が巻かれたものが1基ある。
これが「首なし地蔵」と呼ばれる地蔵尊である。


首なし地蔵の昔話
市立一中の西側。 都道の傍らの角地に、首の取れた小さな
地蔵尊がある。よだれかけがなければ、ただの石の塊にしか
見えない。土地の人たちは、これを「首なし地蔵」と呼んでいる。
この地蔵尊の首は、時を経て取れたものではなく、最初から
なかったと伝えられている。そして清水成夫氏の著した「八王
子ふるさとのむかし話」には次のような伝説も載っている。
昔、相模の旅僧が荒れたこの地を見て、為政者の無能を批判
し、それを聞いた役人が僧の首をはねてしまったのである。
哀れに思った土地の人々は地蔵を作り、僧の供養をした。
ところが、この地蔵、何としても首がころげ落ちてしまうので、
やむを得ず、首のないまままつったということである。
少々むごいが、今も残っている話である。(中略)
首なし地蔵は、首から上の病気や首が回らないとき(忙しい
ときや金の工面がつかないときも)功徳があると言い伝えられ
ている。
(東京都八王子市「ふるさと八王子」より)





地蔵尊というのもわからないので、伝承を知らなければただ通
り過ぎてしまう。