八王子の景色   首切り地蔵尊                    [戻る]


西寺方町の観栖寺に2体の石仏がある。
どちらも上部が損壊していて、特に右の石仏は首から上
が無くなっている。傍に置かれた碑文によれば、洪水に
よる損傷から「首切地蔵」と呼ばれたものだという。

首切地蔵尊
この二尊は、もと元木下河原にあった。平成二年の盆会
この地に遷座した。
安永八年の造立になる像は翌々十年の関東大洪水に
よって倒壊。首切地蔵伝説を生んだ。
昔、大久保長安発意によって江戸市中の熱源は案下炭
をもってまかなわれた。しかし船便の開発と共に関西の
炭にとってかわられ、次の商品としての織布「八王子縞」
が天下の大好評をとり、八王子女性のフトコロを豊かに
した。
各地・女講による造像・像塔が流行して下恩方の入口に
も像が祀られた。車の導入によって今日伝説さえも忘れ
られようとしている。
  平成二年八月十三日

                         
補陀峯一束