広園寺の古鐘 [戻る]
「山田の広園寺」の鐘楼には梵鐘が架かっているが、
仏殿の中には、古い梵鐘が今も保管されている。
洪鐘二口
開山堂の前に鐘楼一ヶ所、これは応永四年(一三九七)に鋳造せる
洪鐘のは破壊せしより文明三年(一四七一)また改めて鋳造せし由。
その後、また慶安二年(一六四九)に鋳成す。然れども、応永、文明
よりの古銘をば洩らさず鋳造せしかば、古えの旨趣歴然たり。依之、
その銘文を模写す。
鐘銘 夫以大江朝臣沙弥心広建立広園精舎、重令僧香方造鐘、既
成□之、欲為銘記矣。
(植田孟縉著 片山迪夫校訂『武蔵名勝図会』)
この文章の後に、応永四年の銘文と文明三年の銘文が続く。
文明三年の銘文には、「応仁二年(一四六八)大旦那大江朝臣広房」
の名の記載もある。
広園寺が大江氏との深いつながりがあることを示すものである。
「夫以大江朝臣沙弥心廣建立」の文字が見える。