八王子の景色   馬頭観音(楢原町)          [戻る]


楢原町の佐貫交差点から西に入った路傍に小さな新しい社がある。
その横には『八王子市最古 馬頭観音』と書かれている。

馬頭観音 
元禄四年(一六九一) 江戸時代の作で八王子市内に現存する
馬頭観音像としては最古のものとされています。
馬頭観音は六観音の一つで馬頭観世音とも呼ばれています。
当時馬は農作業や荷物の運搬・重要な交通手段として人々の生活
や仕事に深く関わりを持ち、家族同然に扱われる大切な動物でした。
その馬を供養するため馬の守護神である馬頭観音の石仏を路傍に
建立し無病息災や道中の安全を祈願していました。また馬は大食で
あることから人々の悩みや苦しみを食べ尽し救済するとも言われて
います。
主要な街道として荷馬車や旅行く人々の往来があったであろう当時
の様子を彷彿とさせるこの馬頭観音像は地域の歴史学・考古学的
にも貴重な石仏となっております。
       二〇〇八年八月吉日

観音像の頭の上には馬の顔が乗っているが、風化で削れている。
昔は、耕運機であり、乗用車であり、トラックでもあった馬は大切な
動物であった。その馬が死んだ場合に、その場所や亡骸を葬った
場所に馬頭観音を建てることがあったという。