興栄山 善龍寺 [戻る]
本郷横丁の交差点から秋川街道を北に向かうと、善龍寺と
善能寺というよく似た名前の寺が並んでいる。
善龍寺は、走り大黒天が八王子七福神の1つとして知られる。
武蔵名勝図会は善龍寺を次のように記す。
善竜寺
右同村にあり。興栄山と号す。日蓮宗、池上本門寺末なり。
御朱印寺領八石を賜う。往昔はこの寺滝山周辺にありて、
城主の氏神別当なりけるが、明応年中(一四九二−一五〇一)
いまの法門に改宗せしとぞ。それまでは真宗なる由を伝う。
按ずるに明応以前のことなれば、大石駿河守城居の頃ならんか。
さすれば、いまの高月古城のありし砌なるべし。それより後、
氏照滝山を取り立て、又、慈根寺村へ城を移すとき、慈根寺村
へ移り、又、天正十九年の頃ここへ移りける。(以下略)
(植田孟縉書 片山迪夫校訂「武蔵名勝図会」 慶友社)
善龍寺は滝山城下、八王子城下、そしてこの地へ移ったという。
開放的で明るい境内には、「増田蔵六翁之小伝」碑が建つ。