若宮八幡宮(宇津木町) [戻る]
宇津木町は、谷地川を挟んで南北に広がっている。
谷地川の北は、八王子パイパスが通り、商店や住宅が多いが、
南側は、農地が多く残り、開発から取り残された印象もある。
そこに小さな鳥居を見つけた。
華奢で、危うい感じさえする木造の鳥居。
その奥には、鳥居とは馴染まないコンクリート製の社殿。
拝殿には「若宮八幡宮」の扁額がかかっている。
姫宮八幡
右同村(宇津木村)。小名青木というところにあり。小社なり。
右同寺(竜光寺)持なり。若宮というはあれども、姫宮八幡と
いうは少し。土人伝 往古ここに青木某という人住居しけるが、
その女この谷地川辺に大なる池ありて身を投じけるによって、
その女を祀りて姫宮と称し、年を経ていまは姫宮八幡と称す
る由。往古の池はいま小池となりて、百姓地の内にありと云。
(植田孟縉書 片山迪夫校訂『武蔵名勝図会』 より)
かつて姫宮八幡と呼ばれていたという若宮八幡宮。
見慣れない形の社殿は、周囲から浮いてしまっているが、
時代がかった鳥居がそれを相殺してくれているようだ。