八王子の景色   祥霊山 長安寺                                [戻る]


「長安寺」という名前から、大久保長安に所縁があるの
かと思っていたが、そうではないとのこと。
並木町のバス停近く、甲州街道に面している。

深い奥行きのある、南北に細長い敷地には、本堂までの
間に敷石が敷きこまれている。
この敷石は、昭和初期に八王子市内を走った路面電車、
「武蔵中央電気鉄道」の線路の敷石だったもの。
武蔵中央電鉄が廃線となり、線路の撤去工事の際に、
不要となった敷石を希望者に配布したという。
長安寺の敷石には、石の縁を削った跡や、曲線状に細工
をした跡が見られる。線路の敷石であった痕跡である。
この敷石は、市内の他の場所にも残っている。

長安寺の入口は、いちょう祭りの際には焼印などを押す
関所として提供され、また地域の夏祭りの会場でもある。
地域との関わりが深いという点で存在感のある寺である。