戸沢観音堂 [戻る]
上川町戸沢地区にひっそりと建つ観音堂。
この観音堂の前に立つと、不思議と心が落ち着いてくる。
懐かしいような、招き入れてくれるような、そんな感覚に陥るのは
なぜなのだろうか。
戸沢観音堂
同村。小名戸沢というところにあるゆえ、戸沢観音と号す。
馬頭観音木座像。作不知。近世まで村民が家の持仏に安ぜしが、
不思議の霊夢などありて「堂宇を営みて我を安置せよ」と告示し給
うによって、ここに三尺許の小堂を営造せしが、近郷の男女信心
の施入によりていまは古えの十倍の堂宇となれり。霊験しばしば
あるによってなり。
正月十九日、九月十五日は通夜ありて、参詣の輩は群をなせり。
(植田孟縉「武蔵名勝図絵」片山迪夫校訂 慶友社)
大きな屋根が描く曲線は何とも美しい。
正面左右の花頭窓が建物のいいアクセントになっている。
観音堂の正面は鎌倉街道の山の道。
そして観音堂の横を通る道は今熊山へと続く参詣道である。