常龍山 斟珠寺 [戻る]
北野街道から北に入って、住宅が立ち並ぶ細い道を抜けた先に
斟珠禅寺の標石が立つ。
石段の先、植栽の間に本堂がわずかに見えている。
ここは、片倉町の北西の隅に当たる。
江戸時代の地誌書『武蔵名勝図会』には、「斟珠庵」として記載が
見られる。
斟珠庵
同村。常竜山と号す。済門、山田広園寺末なり。御朱印五石。本尊
弥勒仏。開山春林西堂 永禄十二年(一五六九)六月六日寂。
(植田孟縉著 片山迪夫校訂『武蔵名勝図会』)
禅寺らしい落ち着いた造りの本堂。
派手さはないが、質実剛健を建築で表現したような造りである。
濡れ縁や格子戸の桟などに触れれば、あの懐かしい感触が残って
いそうな、質感が漂っている。
斟珠寺は、背後の崖線から湧出する水で造られた弁天池が有名で、
「時田の弁天池」の名で知られている。