真覚寺 観音堂 [戻る]
真覚寺は子供の頃の遊び場のひとつだった。
この観音堂のところでも遊んでいた記憶がある。
暗い赤色に塗られた建物と、黒い格子の向こうの暗い内部は、
何となく薄気味悪い場所であった。
新編武蔵風土記稿の散田村、真覚寺の項に記載がある。
観音堂
境内、南の山ぎはにあり、四間四方の堂にて東向なり、本尊
正観音木の立像、長一尺五寸許、行基の作なり、この観音は
四条院御宇文暦元甲午年造立長井吉久尊敬と旧記に載しと
也、棟札あり、左の如し、
(林述斎編 蘆田伊人校訂『新編武蔵風土記稿』)
風土記稿には東向きとあるが、現在は北向きに建っている。
方角を変えた理由は不明だが、北向きの観音堂というのも
薄気味悪さの理由のひとつだったのかもしれない。
今でも長居せずに、早く立ち去りたいと感じる場所である。