塩釜山 清鏡寺 [戻る]
寺の裏山は多摩市との境界であり、背後に建設中の帝京大学の建物は
多摩市の所在となる。
大塚の清鏡寺は八王子市の東端に近く、「御手の観音」で知られている。
清鏡寺
大塚。武相観音札所第10番札所。曹洞宗下柚木永林寺末。開基小田野
肥後守源太左衛門(号・白月斎)。転宗開山永林寺第14世妙庵長銀上人。
本尊釈迦牟尼仏。
当初天台宗であったものを1592年(文禄1)曹洞宗に転宗開山した。江戸
期には観音堂の別当であった。現存の本堂は林副重宅の母屋を移築した
ものである。境内の観音堂は「御手の観音」として有名。寺伝によると
1164年(長寛2)良鮫上人により安置、元亀年間(1570〜73)に再建、
1651年(慶安4)御朱印7石を受領、現存の建物は1877年(明治10)
の再建。この寺の丘陵墓地は古くから上段を大人、下段を小人に分けて
埋葬していた。これは、子供が親より早死すれば下段に埋葬され、戒名も
つけられず、早死を不孝者とする道教の見方から出たもので、貧富を問わ
ず子供には墓石も戒名もないが、この風習は、現在はなくなっている。
[都指定文化財]木造十一面観音立像。[寺宝]豊臣秀吉の禁札。十六善
神画像。
(八王子事典の会『八王子事典』)
開基の小田野源太左衛門は、八王子城の出城とされる小田野城の城主
である。
すると、清鏡寺は戦国時代に天台宗の寺として開かれたということになる。
そして、曹洞宗への転宗は八王子城落城した後、徳川家康が江戸に入っ
た後。
何か、曰くがありそうに思える。
寺の入口の案内板はたくさんの内容が書かれていて、一見しただけでは
内容を掴むことは難しいが、小僧さんのイラストがいい感じ。
境内には、都指定文化財「御手の観音」が納められた大塚観音堂がある。
観音堂の脇には、裏山から湧き出す清水を溜めた弁天池や、そこから
流れ出る水が本堂裏に小さな滝を作っていたりする。
水音が聞こえる他は静かな境内だが、裏から圧し掛かってくるような大学
の建物が余計なものに思えてくる。