八王子の景色   西蓮寺 薬師堂                               [戻る]


大楽寺町・西蓮寺境内に建つ薬師堂は美しい反りの屋根を持つ。
この薬師堂は戦国時代に建造された建物で、八王子城攻めの上杉軍が
ここで炊事をして堂内の梁に焦げた跡があるという。

東京都指定有形文化財
所在 八王子市大楽寺町五六六番地
指定 昭和三十一年三月三日
薬師堂は室町時代末期の建造で、虹梁などの一部に焦げた跡がある。
これは、『新編武蔵風土記稿』によれば、天正十八年(一五九〇)年六月、
小田原攻めに際し、豊臣方の上杉景勝の兵が元八王子城攻略の時、堂
内で炊事をしたためであると伝えられている。
規模は、桁行三間、柱真々六・八二メートル、梁間三間、柱真々六・七七
メートル、建面積四六・一七平方メートル、単層、屋根寄棟造カヤ葺き、
回り縁、向拝附。厨子は江戸時代初期の製作である。
これらは仏教建築上の技術的価値が高く、建築学上貴重なものである。
    昭和五十二年十一月三日建設
                         東京都教育委員会

(説明板より)





以前、堂内を拝見させていただく機会を得た。
柱などは細いながらもしっかりしているものて、歴史のある建物だと感じら
れた。
上杉軍の炊事で焼け焦げた跡は堂内が暗いうえに、梁も煤けているため、
どの場所であるのかははわからなかった。

薬師堂の扉の格子に「めめ」と書かれた絵馬がたくさん奉納され、内陣に
は紐がかけられた小石が幾つか吊り下げられている。
目の病気をした人達の願かけなのだろう。