八王子の景色   増宝山 密厳院 龍光寺                       [戻る]



宇津木町にある龍光寺は、門の構えからしても格式を感じる。
瓦屋根の唐破風には煌びやかな装飾が施されている。

門を潜ると、正面には重量感のある本堂が聳え建っている。

竜光寺
宇津木村にあり。右の石川の続きなり。増宝山密厳院と号す。
新義真言、山城醍醐無量寿院末なり。御朱印寺領二十五石。
末寺廿ヶ寺。境内に「文和二年(一三五三)十一月廿一日」と
刻せる古碑一面あり。本尊大日如来。開山清雅法印応永三丙
子年(一三九六)三月七日寂。客殿。方丈。玄関。庫裏。鐘楼。
中門。総門。阿弥陀堂境内。鎮守青竜権現の小祠あり。

(植田孟縉著、片山迪夫校訂『武蔵名勝図会』より)

境内には本堂の他に、庫裏や薬師堂など大きな建物が立ち並
んでいるが、全体的に無機質な印象を受ける。
整理整頓された境内の景観のせいなのか、あるいは境内で人
にお逢いしたことがないためなのだろうか。









本堂の前に仁王像が立つという構成は珍しい。

境内には、「文和の板碑」がある。
また「電子梵鐘」という面白い設備もあり、古いものを残す一方
で新しいものを採りいれる柔軟さも併せ持っている。