大室神社 [戻る]
散田町5丁目の真覚寺東隣の斜面に建つ小祠。
遠くからでもよく目立つ赤い鳥居の前には、「大室神社」という
標石が建っている。
鳥居を潜った先の祠の中には、ご神体が2柱並んで祀られて
いる。
新編武蔵風土記稿には、「大室神社」ではなく「小室権現社」
として記載がされている。
小室権現社
除地、九尺に三間許り、村内真覚寺の東方半町ばかりにあり、
社は北に向ひて神体とせるものなし、土人云真覚寺境内に高
宰社あり、此神の配偶なりと云、此記に因て按に小室は御室
を誤れるならんといふ、
(林述斎編 蘆田伊人校訂『新編武蔵風土記稿』)
「小室権現社」がなぜ「大室神社」として伝わっているのかは
不明である。明治時代の廃仏毀釈に関わるものだろうか。
新編武蔵風土記稿に記載の「高宰社の配偶なり」の意味する
ところは何なのだろうか。
文字通り解釈すれば、高宰社の神の配偶者となるのだが、
これは謎として残しておくことにしたい。
また、大室神社が北向きに建てられているのも謎である。
普通は、北向きに社を建てることはしない。
高宰神社は東向きに建っている。
その配偶であれば、西向きに建てるのが自然に思えるのだが。