瘡守稲荷 [戻る]
寶樹寺境内の声阿弥稲荷神社横に小さな祠があり、前面の
格子には、お椀がたくさん吊るされている。
この祠は「瘡守稲荷(かさもりいなり)」という。
瘡守稲荷
大横町。宝樹寺境内。沿革については不明。寛文年間(1661
〜73)からあったと伝えられている。花柳病治癒の祈願で知ら
れている。かつて田町、中町など花柳界の女性の参詣者が多
く見られた。治癒するとお礼にお椀を奉納する風習があり、現
在もお椀が開き戸に吊るされている。
(八王子事典の会『八王子事典』)
落語の廓噺に「瘡をかく」という言葉がある。「瘡をかく」とは、
性病に感染することを指す。江戸時代、八王子宿にあった遊郭
の女性達は性病に感染することが多かったからだろう。
そんな女性たちの病気治癒に信仰された瘡守稲荷だが、今も
お椀が奉納されているのは、信仰が続いているからだろうか。