観音寺 薬師堂 [戻る]
上野町の観音寺の境内に建つ薬師堂の前に、木の板に手書きで
書かれた説明板がある。
薬師堂縁起
薬師堂は元来八王子の下犬目に在し桃山時代文禄二年現地に移
しその中興開山は俊覚法印と傳えられている。行基菩薩の作で
「峰の薬師」と称される秘佛が安置されており寛永年間には御朱印
薬師堂領五石を賜った。縁起によると犬目の里の医王堂が天正年
間の兵乱にて焼失 その際不思議にも紫金の霊像が火焔の中から
飛出し当山に飛来し松の木に掛って光明を発し山林を照らしたので
山主が驚き即座に草堂を造り尊像を安置奉ったと傳えられる。その
お姿は目も眩むばかりに氣高く美しくして浄瑠璃世界の救主にして
諸もろの病悉く除く医王と近隣諸國の人々から崇拝されていた事
などが傳承されている。
(説明板より)
天正年間の兵乱とは、秀吉が差し向けた前田利家・上杉景勝など
が率いた軍勢による八王子合戦を指すのであろう。
犬目からここまで薬師像が飛来したという伝承は、両地にかかわる
何かがあったことを感じさせる。
建物の中に祀られているの小さな社。
この中に秘仏とされる、行基作の「峰の薬師」という像が安置されて
いるのだろうが、秘仏ゆえ拝観することはできない。