八王子の景色   白雲山 常林寺                                               [戻る]



小名路の交差点から旧甲州街道に入り、蛇滝口を過ぎた先が摺差
という集落。
この旧街道沿いに見えるのが常林寺である。

常林寺
除地、二段九畝二十六歩、摺差にあり、禅宗曹洞派、上椚田村
高乗寺末、白雲山と号す。開基は峰尾を氏とせる当村の百姓なり、
其創立せし年歴は詳ならず、本尊釈迦木の立像七寸ばかり、
本堂五間半に六間にして南向なり。

(蘆田伊人校訂「新編武蔵風土記稿」 一部旧字を新字に変更)

常林寺の開基は峰尾某という当村百姓と伝えているが、この周辺は、
現在も峰尾姓の家が多いという面白い地域である。

境内の植込みにある数多くの石造物は寺の歴史を物語っている。
また、寺の前を通る旧甲州道中と寺の背後に見える中央道と圏央道
を繋ぐインターチェンジは、新甲州街道が新甲州道中にとって代わり、
さらに新々甲州街道ともいうべき中央高速道が新甲州街道にとって
代わるという時代の変遷を感じる。





曹洞宗派らしい華美にならない造りの本堂が静かに建つ。