八王子の景色   日枝神社(弐分方町)                         [戻る]


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弐分方町の日枝神社は、北浅川に向かって突き出す尾根の先端
にある。
陣馬街道はこの尾根に突き当たるのを避けるために、尾根の裾を
回り込むようにほぼ直角に折れるように走っている。

参道の石段を上った先には社殿が建ち、由緒書等は見られない。
この境内に立つと、「由井野」と呼ばれる平地が目の前に広がる。
「由井野」は、古代に「由井牧」と呼ばれる官牧があり、朝廷に献上
する馬を育てていた。

日枝神社の神の使いは猿であり、猿は馬を御するとiいう。
由井牧に放牧した馬を監視するために、日枝神社が勧請されたと
する説もうなずける。

日枝神社は八王子城から小田野城を経て続く尾根の終端にあり、
ここは八王子城の出城として、諏訪宿の保護と案下道が北浅川を
渡河する地点を封鎖する役割があったという。
(参考 中田正光著、NPO法人滝山城跡群・自然と歴史を守る会
発行 『戦国の城は民衆の危機を救った』)






勅使牧も、戦国の城跡も、八王子の歴史に大きく関わった場所で
あることは間違いない。