永林寺 豊川殿 [戻る]
永林寺の本堂の前に東を向いて豊川殿が建つ。
落ち着いた趣の大きな社殿は、永林寺の他の堂塔と比べても遜色が
なく、後方に見える三重塔との違和感もない。
豊川殿
昭和十二年(一九三七年)半原小島市次棟梁により建立。平屋建千鳥
破風付銅板葺き。
本来は、此の地に衆寮(座禅堂)があったが関東大震災により倒壊する。
その後豊川殿を建立する。
永林寺山内守護神として昭和二年(一九二七年)愛知県の曹洞宗円福
山妙厳寺豊川稲荷様より分霊しお祀りしたものです。ご本尊様は、茶枳
尼眞天様であり、稲を荷い白狐に跨った女神であります。護法神である
茶枳尼眞天は、その功徳により人々を救済し、災厄を転じて福徳を授け
になります。
永林寺豊川稲荷の行事は、一月元旦祭、二月初午、四月豊川稲荷大般
若法要、十二月冬至祭、又七五三祈祷、厄除け祈祷、安産、交通安全、
身体健全等を祈願致しております。
平成十一年八月十四日土砂災害により半壊して大改修され現在に至る。
(説明板より)
寺院の境内に神社があるというと、神仏習合の名残りかと思ってしまうが、
この豊川殿は昭和の初めに勧請したものだという。
あえて、豊川稲荷を伽藍の中央に据えたというのが興味深い。
なお、永林寺の門前からこの社殿までの間にはこの豊川殿の鳥居は全く
みられない。これも不思議である。