八王子の景色   永林寺 三門                          [戻る]



永林寺の総門を抜けると、目の前には大きな赤い三門の
どっしりとした姿が現れる。
直線的で豪快な総門の後に繊細で柔和な三門が現れるのは、
寺院の奥行きを表わしているようで、「その先」への期待感が
高まる。

三門
天文十五年(一五四六年)建立。文禄四年に野火により焼失。
寛文九年(一六六九年)相州藤原貞通棟梁により再建、三間一
戸総円柱二階二重門入母屋造り銅板葺き。
安永四年(一七七五年)十二月に解体大改修され、現在に至る。
三門上には十六羅漢木造を安置し、正面両側に仁王像を安置
する。
三門とは、空門(一切を空と観ずる) 無相門(迷いの煩悩を離れ
悟りを得る) 無願門(真実を悟り願求するところがない)三解脱
門のことである。
この三解脱を得て本堂に向かう大切な門である。
仁王像(佛法、伽藍守護の金剛神 阿吽像)

(説明板より)








同じ曹洞宗の「山田の広園寺」の山門は、柱だけの下層が大き
な上層を支えるアンバランスさが特徴だが、この永林寺の三門
は、二本の太い足で立っているような安定感がある。

木組みで構成された寺社建築の技術も楽しめるので、ゆっくりと
眺めたい建物である。
下層の左右には、見事な仁王像が睨みをきかせている。