永林寺 本堂(法堂) [戻る]
永林寺の本堂(法堂)は、豪壮で優雅である。
永林寺の敷地はとても広いため、本堂の周囲に比較できる建物が無
くその大きさが実感しがたいが、近づいてみると実に巨大な建造物だ。
大きな屋根が描く緩やかな曲線、千鳥破風と唐破風と備えた向拝。
そこに配された精細な彫刻など、市内でも屈指の本堂といえるだろう。
本堂(法堂)
天文十五年(一五四六年)建立。文禄四年に野火により焼失。寛文九
年(一六六九年)三月相州藤原三郎道典棟梁により建立。
間口十一間、奥行き十間半木造入母屋造り銅板葺き。永林寺の中心
となる建物で法堂ともいう。
釈迦牟尼佛様を、ご本尊様にお祀りし、脇仏様に普賢菩薩様、文殊菩
薩様をお祀りする。
現本堂は、延享二年(一七四五年)四月に大改修されたもので向拝
(安政四年、一八五七年小谷田忠五郎棟梁により再建)は本堂中央よ
り左寄りに建築された、この地方禅宗の特色の作りで、軒は唐破風付
で上に千鳥破風を架している。
本堂内には、正面に勅額護国殿を掲げ、三二枚の杉戸の襖には、狩野
派相沢五流による荘厳な大画が描かれており、天井画には二一〇枚
の花鳥画が地元画家橋本豊治氏により描かれている。
(説明板より)
今年4月28日に、本堂の内部を見学させていただく機会があった。
『護国殿』の勅額、橋本豊治氏の描いた天井画、ご本尊の釈迦牟尼佛
と脇侍の普賢菩薩・文殊菩薩像など、本堂内部は素晴らしい品々が
数多く見られた。
また、この日展示されていた物品では、徳川家康公から授かった御朱
印箱や大石心月斉の『永麟寺山境ノ事』、北条氏照の『禁札ノ書』など
の古文書は普段目にすることのできない貴重なものであった。