八王子の景色   成就山 浅川金刀比羅大権現                          [戻る]



京王線高尾駅のホームから南西の方角に、間近に迫って見える
山をコンピラ山と呼ぶ。
この山の名の由来となったのが、この金刀比羅大権現である。


浅川金刀比羅大権現の由来
ようこそお参りくださいました。
当大権現は、江戸時代に地元の村人たちが浅川を鎮め五穀豊穣、
家内安全、商売繁盛などを願って、ご霊験あらたかな金比羅神を
眺望のすぐれたこのお山に祀ったのが始まりといい伝えられてい
ます。
以来、地元ばかりでなく関東一円の信者で賑わいました。
明治三十年代に建てられた社殿は、その後の幅広い人々の浄財
で建て直され今日に至っています。この間、戦時中には大地下壕
構築のため軍によるお山の接収、戦後も幾多の困難を経験してき
ましたが、ご神徳によりそれらを乗り越えて参りました。
子々孫々まで、この大権現を金比羅山の緑豊かな自然が守られ、
地域はもとより地球上の生きとし生けるものの未来が輝くようにご
一緒にお祈りください。
   平成四年十二月吉日
                               浅川金刀比羅講
(境内の由来記より)





コンピラ山はそれほど高い山ではないのだが、勾配がきついため
登るのには苦労する。
そうした山にこれだけの神社を造営し、守ってきた地元の方々の
信仰の篤さが感じられる。

山頂にある金刀比羅大権現の境内は、木々に囲まれていて眺望は
ないが、この木を伐り払ったとすれば、すばらしい景色であろう。
この山の南には初沢城(椚田城)跡のある山があり、このコンピラ
山も初沢城の出城あるいは見張り台として機能していた可能性が
ある。

また、太平洋戦争末期には、この地域に地下壕が建設され、この
山も地下トンネルの跡が残っている。