八王子の景色   小宮曲輪枡形虎口(2)                  [戻る]


犬走り状の細道を通り抜けると、道は右に曲がる登り坂になり、
すぐ先で左に直角に折れる枡形虎口になっている。

この虎口には、曲がり角の先にそれぞれ木戸が設けられていて、
木戸に阻まれて動きが鈍った敵を、通路の両側にある曲輪の上
から、正面・側面・背面に向けて攻撃し、討ち取る仕組みである。

堀底となる通路も長い年月の崩れや堆積によって埋まってしまい
浅く見えるが、実際には数メートル下に通路があり、曲輪と通路の
比高はかなりあったに違いない。

発掘による調査に期待したい。
















枡形虎口を守備する曲輪上から見たところ。

左手前から上がって来る敵は左に直角に曲がるが、そこには
木戸が設けられている。

木戸で進路を阻まれた敵を背面や両側面から狙い撃たれ、
木戸を通り抜けたとしても、その先にも通路の両側から攻撃を
受け続ける仕掛けがされている。

通路の先の通路は曲輪の先端を巻くようにUターンしていて、
侵入者は必ずここで仕留められ、その先には侵入できない。