八王子の景色   天野坂(3)                         [戻る]


大きく左折し、さらに右に大きく屈曲する急坂を進んでいくと、
視界が大きく開けてくる。

「天野坂」はどこからどこまでというのは明確ではないのだが、
ここでは、この直線部までを天野坂とする。

右手の曲輪とそれに対峙する左の曲輪からは坂を登っている
間は、敵の正面・側面・背面を間断なく攻撃する構造になって
いる。

また、右の曲輪は、坂が直線になり、空堀に当たるまでの間の
長くにわたって坂道を見下すように造られたいる。

自然地形を充分に活かして、攻撃と防御に適応した中世城郭
の城造りの妙を感じずにはいられない。












右は曲輪の壁、左は深い空堀を挟んで小宮曲輪の壁がそそり
立つ。
右奥に見えるのは三の丸である。

右手からの攻撃に空堀に逃げ込んだとしても、その先は行き止
まりになっていて、小宮曲輪からの攻撃にさらされることになる。

運よく、この坂道を通り抜けたとしても、その先にはまた関門が
いくつも仕掛けられている。