八王子の景色   天野坂(1)                          [戻る]


大手口の枡形の先には「
滝山城址入口」の案内板が立っている。
この案内板の辺りに大手門があった可能性があると思う。

ここから緩い登り坂が始まるが、坂の傾斜は次第に強まっているのが
わかる。
坂の遥か先は木々の中に入り、暗くなって見えていない。

大手口からのこの坂道「天野坂」と呼ぶ。
ただ、天野坂がどこからどこまでの坂を指すのかは不明である。

『武蔵名勝図会』の 丹木村の項に、
天野坂 村の北寄りなり。いまは古城地へ丹木村より登る坂を云。
その謂われを不知

(植田孟縉著 片山迪夫校訂『武蔵名勝図会』)
との記載が残っている。

右側に見えるのは「天野園」さんという椎茸栽培のお宅なのだが、
この天野姓と天野坂は関連があるのだと見るべきか・・・謎である。








坂を進むと車両進入禁止のバリケードが道を塞いでいる。

このバリケードから先から城郭遺構が良好に残っているのだが、
その手前の左右にある民家の敷地は大手口を守備する曲輪や
建物などがあったに違いない。

現在は、バリケード先から竹などが生い茂っているために、
ここが大手口だと勘違いしてしまいがちではないだろうか。